笠原純子 ピアノ･リサイタル ～panta rhei～ 万物流転

物質はすべて素粒子から成り、その本質は素粒子の波動といえます。万物の生々流転。移り変わってゆくからこその、生命の輝き、喜び、悲しみ。風景も四季もとどまるものはなく、そして、それは見る人により、その時の心持ちにより、変化します。外側の世界は、与えられたものではなく、自分の内面の鏡のようなもの。
ラフマニノフは、"自分の中で聴こえている音楽を書きつける"と云っています。宙から降りてきた音楽。見る者の意識によって素粒子が集散離合していくような、練習曲"音の絵"。自然の中の曲線に満ちた前奏曲。広大な息遣い、宇宙エネルギーの交響曲のようなソナタ。
一瞬一瞬変化する素粒子の波動。一瞬だからこそ、次の瞬間に視点を変え、世界の愛と美しさに気づく次元上昇が可能です。現実に力を明け渡さず、思うものに生命を与え、自分に力を宿して生きていく。人生は一瞬の旅、そしてそれは永遠の一瞬。そんな彼の音楽の世界を、ご一緒できればと願っています。
（Message by 笠原純子）

[出演]
笠原純子（Pf）

[PROGRAM]
～オール･ラフマニノフ･プログラム～
前奏曲 変ロ長調 op.23-2
前奏曲 ニ長調 op.23-4
前奏曲 ト短調 op.23-5
練習曲集 ｢音の絵｣ op.39

前奏曲 ロ短調 op.32-10
前奏曲 嬰ト短調 op.32-12
ピアノ･ソナタ 第2番 変ロ短調 op.36 （1931年版）